対話は話し合いから アクティブラーニング

話し合いをもとにしたアクティブラーニング

 

 

子どもの主体性が対話によって生み出されるとしたら、対話する場所つまり話し合いが考えられます。

 

話し合いについて、よりもっと掘り下げて考えることで、アクティブラーニングをもっと活性化できないかと考えるわけです。

 

アクティブラーニング といっても、単純に子どもたちに活動させればよいわけでもなく、知識の習得を目的としながらも、思考力や表現力を育てていくものが前提にあると思います。

 

 

小学校の先生が授業を考えるとき、子どもに教える場、子どもから引き出す場所、考えを整理する場所があると考えます。一斉授業には一斉授業の良さ、グループワークにはグループワークのよさがあると思います。

 

一斉授業形式でも、ただ先生が話をしているだけの講義式、説明式だけの授業では子どもの思考力や表現力は育ちません。今、アクティブらラーニングの必要性が求められている中、

 

「今やっていることの延長線上でいい」
 
こんな思いで迫ってみたいです。


 

<現場で聞こえる声・姿>

教室の授業の風景。

 

授業参観でもありきたりではないでしょうか。
一般的にとってもいいと言われているクラスの様子。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・先生が前に立って話している。

 

授業の中のほとんど?前で何か話している先生。教科書を読んでいる先生。説明をしている先生。黒板に書いて説明している先生。

 

・お決まりの机の並び方でノート、教科書を出して整列している子どもたち。

 

黒板の文字を真剣に書く子どもたち。先生がわかりましたか?の問いに「はーい」と返事。静かで落ち着いた雰囲気で時間が過ぎていく。

 

・静かに我が子を見守る保護者の方がた(時々、保護者の方がうるさかったりして)

 

うちの子はみんなと同じかしら。先生の言うこときちんと聞いてしっかりやっているかしら。

 

 

 

・落ち着いた態度で授業ができている。
・確かに・・・。


 

 

 

「アクティブラーニングをやろうという気持ちはあるよ。でもね・・・」

 

「今のままでいいじゃん。新しいことする時間もないし!!」
「このために準備するのもねえ」
「時間もいっぱいいっぱいだしねえ」


 

・講義中心の授業ではアクティブラーニングが発生しにくいと思いますよ。
・準備するって、時間かけずに、効率的に準備して、子どもを成長させる教育をしましょうよ。


 

「アクティブラーニングをやろうという気持ちはあるよ。でもね・・・」
「今のままでいいじゃん。新しいことする時間もないし!!」
「子どもに言うこと聞かすためにはなめられてはダメだし!厳しすぎるくらいが静かにやってるし!」
「子どもは黙って先生の言うことだけ聞いていれば問題ないし。私がルールだし。生きていけるし。」
「教科書をそのまま先生が教えるほうが楽だし!力になっていると思うし。


 

 

 

・先生の一方的のペースで、全てを押し付けるのって、子どもは伸び伸びと気持ちよく、心を開いて学んでいるでしょうか?。
・ただの指示待ち人間が育ってしまいますよ。
・その先生が怖いから言うことを聞く子が育ってしまいますよ。
・この先生の前ではいい子にする。この先生の言うことは聞く。こうなってしまいますよ。
・授業の主役は子どもたち。ここが基本ですよ。


 

「アクティブラーニングはやってみたいけど・・・」
「静かな教室のほうが落ち着いて育つし。」
「先生が説明したほうが、わかりやすいし。子どもだと伝わらないし。」
「やっている場合じゃないし。忙しいし。」


 

・先生が話すだけでは、子どもたちの思考を活性化させるには限界があると思います。
・今後、ますます国際社会重視のグローバル化が進んでいくと、異なる人とのコミュニケーションや対話、そもそも、それぞれの文化を理解しあって生きていくことが必然になっていくと思います。そのためにも、アクティブラーニング型の授業が有効になってくるのではないでしょうか。


 

 

今までの先生の教え方全てに否定しているのでは決してありません。

一斉授業をすべて否定しているわけでもありません。
先生が前に立って授業をすることを否定しているわけでもありません。

 

先生には先生のスタイルがある。経験があり、実績がある。
先生だって、みんな違ってみんないい!!

 

でも、子どもに価値観をおしつけるとか、いばっているとか、少し違うような・・・。

 

21世紀を生きていくうえで必要な力。それは、先生の押し付けや、一方的な価値観の押し付けではなく、先生と子どもとのかかわり、子ども同士のかかわり。対話を通したかかわりが、自主性や、協調性などが深い学びの中で育っていくものだと思います。

 

 

それでは、
アクティブラーニングをやっているつもりになっている先生に
鋭く切り込んでみようと思います。(半分自分自身に切り込んでいます)

 

<こんな話し合いでいいのかなあ?>

話し合いでこんな場面見かけませんか?
こうなってしまう理由を考えてみました

 

どんな時?一斉授業をしていて、子どもが一生懸命発言している時。

 

○子どもの話を待つことができない先生

 

・子どもが発言できないと、つい先生が問いかける。
・子どもが話している内容が違うと、つい口をはさんでしまう。
・子どもが話している最中に、口をはさんでしまう。

 

 

◎先生は自分のペースで授業を進めたいため。
子どもたちがモタモタしていたり、想定内から外れるともとに戻そうとするため。
早く進めたいから、待っているだけムダだと思ってしまうため。


 

どんな時?グループ学習でよくある風景

 

○盛り上がっていると思ったら雑談のオンパレード!

 

・話し合いは盛り上がっているように見えて、雑談だけになってしまっている。
・テーマうや目標とは別のことで盛り上がってしまっている。

 

 

テーマがざっくりすぎて、何を話したら良いかわからないため。
話し合う説明や目標が明確になっていないため。
話し合いのきまりがしっかりしていないため。
先生が話し合うテーマに自信がないため。→何を言っても耳に入らない。
先生がほとんど話していて、子どもの話し合いになっていないため。
(グループorペア)ていのいい雑談の場になってしまい、雑談がしやすい環境、子どものストレス発散のための時間になってしまっているため。


 

どんな時?クラスで話し合いをしいる場面

 

○お通夜状態の話し合い

 

・周りを見渡している不安な状態の子ども達
・だまったまま、教科書や資料をみている話し合い

 

 

先生がもとめている答えを子どもが探している、もしくは見当がつかないため。
発表の仕方の指示が行き届いていないため
→グループでまとめるの?意見を出し合うの?答えを出すの?
人間関係がよくないため、自分の考えを話したらいけないという雰囲気があるため。
失敗をしたら、中傷の的になる可能性があると思うため。


 

どんな時? あまりいい雰囲気でない教室で話し合いをしている時

 

○話し合いの最中に喧嘩に冷やかしやケンカ、笑い声・・・

 

・冷やかし、お大声でバカにした笑い方・・・
・揚げ足取り
・おまけに、話し合いの後に、恐ろしく雰囲気が悪くなる。

 

 

自分の意見が通らないため。
話し合いを通じて友だちと関わっていくやり方を子どもが知らない。もしくは教えていないため。(話し合いの中で仲間をリスペクトする)
意見発表の場所になっているため
相手の好き嫌いで意見したり、態度を変えたりする雰囲気があるため。

 

すごく重要!!
◎常に相手をリスペクト。他者との共存、思いやりの気持ちが足りないため。


 

どんな時?話し合い、授業でありがちな風景

 

○発言が一部の子どものみになってしまっている

 

・いつも同じ子どもが発言している。
・発言しないで話し合いを終える子どもが多くなる。

 

 

頭の回転の良い子を中心に話し合いが展開し、発言の権力が大きくなっているから。
みんなで話し合って、得すること、話し合いのよさを知らないから。
普段の生活の中の態度や行動から、子どもも、先生も判断しすぎてしまっているから。
司会が下手だから。(司会が育っていないから)

 

◎先生が話すことが苦手な子どものことよく理解していないから。
→先生は、人前で話をすることを職業としているため、話すことはそれほど苦手ではない。
そのため、発言が少ない子どもへの配慮を欠いている可能性がある。
→自分を基準にして、「勇気を出しなさい」「発言なんで大したことじゃない」
発言をしていない子を先生が否定しているため、苦手な子がしたくてもできない状況に追い込まれているから。

 

失敗が許されない雰囲気があるため


○形だけの話し合い活動

 

・話し合いが形だけのものになってしまっている。
・話し合いが活動だけになってしまっている。
・先生が話し合いに参加しすぎている。

 

 

先生が話し合いで何を求めているのか明確になっていないため。
先生がどのような力を子どもにつけたいのか明確になっていないから。
話し合いの出口がはっきりしていないため、発言をしただけで満足してしまうため。


 

○グループごとに発表させておしまいの活動

 

・順番に発表しておしまいになっている。
・クラスの数名外見を発表したり、先生がまとめて終わりになってしまっている。

 

 

意見や発言をすれば、それが話し合いだと思っているため。

 

→意見や交流をするようにする。建設的な発言ができるようにする。
→子どもの聞き方として、「自分と違っているか、同じか」「どこまで似ているか、もっと先を考えているか」など、自分の考えと比べながら話を聞き、話をつなげていく工夫をすると単なる発表会にはならなくなる。


<話し合いを高めるためのテクニック>

じゃあ、どうしたら話し合いを高めることができるの?

 

僕がやってきたこと、大事にしたことをまとめてみました。少しでも参考になると嬉しいです。

 

リスペクト!!

 

「話し合いの基本。人間が生きていく上での基本。これさえできていれば、ある程度の問題がおこっても大丈夫!!」

 

→日常のどの場面を取り上げても言えること。

 

・教室移動の時、給食当番の時、掃除の時、目上の人、年下との関わりの時・・・全てにおいて相手をリスペクト、相手がどう思っているか、相手をリスペクトして気持ちよく接することこそ、将来においてももっとも必要なスキルだと思う。
・プロ野球「桑田真澄さんの考えに共感」体罰禁止とその根底にあるリスペクトの気持ちの存在が今までの桑田さんを支えているということに大変共感しています。
障害者教育の基本だと思います。
「誰もが」[安心して」「豊かに」くらしていくためには、どのような状況の人にも、相手の立場にたってリスペクトする気持ちが大切だと思うわけです。

 

「マイナス発言をしない。させない。」

 

→表現の仕方を教えてもらう機会に恵まれないため、繰り返し示していくことで習慣化するようにする。集団の中で日々行なっていく必要あり。

 

→個別に直接注意喚起することもできるが、できれば、やんわりと自分から気づいて行動できるようにするとよい。異常なほどのプライドを持って、先生に対して対抗心、嫌がらせ、マイナス行動で自分の存在をアピールすること、などの行動に出てしまうことも十分ありえます。

 

そのために・・・

 

・前向きな発言、行動ができる子を紹介する。
・表現の仕方を紹介する。
・保護者へ、実態を報告するとともに、働きかけをしていく。
・クラス全体でリスペクト。お互い気持ちよく過ごせることが、学習効果を高めることになること、気持ちよく過ごすために自分たちでするべきことを考え、話していくことで、習慣化するようにする。

 

「相手を思いやり、感謝の気持ちをもち、尊重する。」

 

→相手がいるからこそ、自分自身も成長できることを常に意識することで、自分勝手な考え方から、相手の立場にたった行動が可能になっていくと思います。

 

 ○聞き方、話し方の指導!!

 

「聞き上手は話し上手」

 

自分とは違う意見に耳を傾け、相手を尊重しながら聞くことが、話し合いの基本になる。話し方、聞き方を両方一緒に指導していく。

 

聞き方の基本・・・傾聴
自分が相手の立場だったら・・・と相手の気持ちになって聞く。

 

こちらについては、別のところで僕が学んだこと、いいなあと思うことがあるので紹介します。

 

話し方のポイント
@ 結論から話す
A 結論のあとに、その理由や根拠を話す。
B だらだら話さない。

 

子どもは、自分の意見を聞いて欲しくて、人の話が聞けない傾向にあると思います。家庭で話を聞いてもらえないことも多いのも一つの原因にあげられると思います。

 

話し合いのテーマ
・子どもの生活に沿ったものであると良い。
・子どもが興味を持った話題になるとよい。

 

できるだけ、日々の生活に密接に関わったことを題材にして、課題解決型に展開してみてはどうでしょうか。

 

道徳の主題に話しやすいテーマがたくさんあるので、道徳の時間だと実践しやすいです。
また、社会や理科、総合といった問題解決型の教科も非常に実施しやすいです。そのうち、別サイト(別ページ?)にて経験したこと伝えていきます。

 

クラスをよくする最高のチャンスなので、しっかり種まき(事前の下ごしらえ)しておくべきですよ。

 

○挙手しやすいポイント

 

どうして同じ子どもばかりが発言しているか?

 

子どもは
「どう話したらよいかわからない」

「間違えたら嫌だ!」

「発表することそのものが恥ずかしい」

 

要は、自信がないから
ルールが徹底していないから

 

 

子どもに自信をつけさせることで、少しでも自分から発言してほしいと思います。
そこで、日常でよく使うテクニックとしては

 

1ペアで話し合う

 

ペアで話し合って、考えを整理して自信をつける。
「とりあえず、隣の人と相談してみようか?」

 

2手が上がるまで待つ

 

限度がありますが、考える時間を確保する。ペアや、近くの友達と相談する場合も多い。
「まだ考えているようだね。ちょっと待つからしっかり考えようか」

 

3ほめる

 

タイミングは、ここ参照。(リンク)机間巡視やノート、休み時間などほめることで自信を持たせるようにします。
「その意見とってもいいねえ。あとで聞かせてね」

 

同じ意見でも大歓迎。○○さんとここまでは同じですが、理由が違います。とか、ここまでは思いついたのだけど、あとは考え中とか・・みんなで話し合って、話し合いが高め合っていく大チャンス!子どもたちって、いい意見を紹介したり、その場でほめてあげると学んでいきます。単なる発言ではなく、理由や根拠をしめしたものになります。子どもに丸投げしないで、よい発言の仕方、意見の言い方、継続して教えていかないと、永遠に、お通夜状態の話し合いや、限られた人のみの話し合いになってしまうと思います。

 

○自分の考え、コレなんだ大作戦!!

 

指名するところでも書きましたが、僕は、話し合いで子どもにさせていることがあります。ハンドサインと、つなげて発言ですが、子どもが司会者をつとめても、一目で考えがわかります。

 

1 ハンドサイン

 

 

挙手する時、考えが同じ時はパー!
付け足しがある時はピース!
反対意見はグー!

 

 

・これをすると、子どもが友だちの考えと比べながら聞くクセができるので、話し合いが活発になりました。
自分の考えをもっているというところも良いと思います。
・話す人は、体ごとみんなの方を向いて。聞く人はおへそを向けて。最初のうちは基本が大事ですね。「話していいですか」「いいですよ」と必ず言って時もありましたが、慣れてきたら、全て当たり前にできるようになるので、「今日からそれ、言わなくていいよ」話し合いがすごく上手になったからステップアップだ!!とここでも、自信と成長を実感して、子どももますますノリノリ。

 

2 つなげて発言

 

当てる順番は、一定のルールがあったほうがよいですが、(リンク)
子どもたちで話し合いを作っているという雰囲気になってきます。油断すると、子どもが指名する時間がかかりすぎたり、手を挙げている子どももヒートアップしすぎて、無駄にもりあがることもあるので、まあ、そこは想定内ということで。
授業参観でもやったことありますが、かなり好評でしたよ。

 

○反対立場から意見を出しちゃえ大作戦!!

 

話し合いでは、対立軸といったらよいのでしょうか。

 

あまりにも話し合いが同じ意見のオンパレードで子どもだけでは深めようがないと感じたら、あえて反対の立場をだすことで、さらに子どもがよく考え、日常を振り返り、話し合いが盛り上がることがあります。

 

例えば、「お年寄りにはどのような言葉遣いがよいか」と問いかけると、ほとんどの子どもが「敬語を使う。正しい日本語をつかう。」とごく当たり前の意見が出ますが、そこで、先生が

 

「今みんなが話しているような言葉ってダメかな?」
 
と投げかけると、「ダメだよ、そんなの」「あ。それも可愛らしくていいかも・・」と理由をあげながら話し合いがどんどん活性化することがあります。

 

もともと、ディベートという話し合いゲームがありますが、ディベートを通して子どもに、話し合いの楽しさや、チームとしての一体感を感じさせる経験もあってもいいかもしれないですね。

 

ディベートの資料:リンク

 

○先生の行動パターン

 

授業の主役が子どもであるとしたら、先生は存在を消すのが望ましいと思います。
全て子ども任せでバッチリ上手くいくのであれば、それで問題ないのですが。。。

 

やはり
小学校において、先生の位置付けはとても重要だと思います。

 

話し合いを授業に組み込んで、アクティブラーニング型授業を展開しようとしているなら、なおさらのこと。

 

先生の立場=ファシリテーターです。

 

「その場の雰囲気をつくること」
「授業の舵取り」
「見張り役?」

 

良くも悪くも子どもは、先生の顔色を伺い、良い子に振る舞おうとするので、先生も調子に乗って、上から目線でオラオラ攻めるより、子どもをのびのびと、楽しく、それでいて、最高のパフォーマンスがしたいところです。

 

そこで、身なりから考えていきます。
僕が気をつけていることとして

 

 

・穏やかな笑顔を心がける
・子どもと同じ目線で、全体ではなく一人一人を相手に。

 

 

・はっきりした声で伝える
・わかりやすく伝える
・基本は、一動作一指示
・発達段階に応じてゆっくり、強弱、間を大事にする

 

姿勢

 

・腕組みをしない
・ポケットに手を入れない
・直立不動になりすぎない程度に、まっすぐ立つ
・時折動きをつける
→TEDのプレゼンターを参考にしています。今後記事にします。

 

文字

 

・慌てず、わかりやすく
・定規を使う

 

僕は、もともと左利きで、子どもの時に右利きに矯正したため、今では左右両効きです。
基本的に、右手にチョーク。左手に黒板消し。話し合いが盛り上がった時や、たくさん文字を書く時は両方の手で同時に一気に書くことがあります。さすがに、子どもは真似しません。
結構便利な特技の一つです(笑)

 

 

子どもが活動している時から、先生の説明に入りたい時のサインも決めています。

 

・教卓の前に黙って立つ
・教卓の前に歩いていき、ピースサインをしながら手をあげる

 

以上は、子どもが育って来た時のスタイルです。
育って来ても、話し合いや、自分のやっていることに夢中で、上記のように合図を出しても、下手したら誰一人気づかないこともあります。

 

かなり虚しいです。

 

落ち着いた話し合いや、活動の時は、有効な時もあります。

 

そこで、

 

・カラーボール作戦!!

 

準備するもの:ダンボール1つ。カラーボール5色くらい

 

ダンボールの中にカラーボール(赤、青、みどり、黄色・・・)を数個入れておく。
おもむろにダンボールを取り出して、一つボールをさっと出す。
この時、子どもには先生が出したボールの色を誰よりも早く言わせるように習慣づけておく。

 

僕が、ボールをさっと出すと、誰かが嬉しそうに気づいて、発声します。
「赤!」

 

(周りも気づき始めます)すぐにボールを引っ込め、次のボールを出します。
「青!」

 

最初、ボールの存在に気づいた人が一人でも、何人かは気づきます。また、さっ!!
「みどり!!」

 

ボールを瞬間に出して、瞬間に引っ込めるのがポイント。

 

何度か繰り返すと、子どもの目は次に何色のボールを出すか、意識を集中することになります。最初に気が付いた一人の声も、あっという間にくらす全体の声に変わります。

 

それから、おもむろに、ピースサイン!!
「よくできました!」

 

注意として、いつまでも調子に乗って、ボールゲームを楽しんでいると、授業時間がなくなってしまいます。あくまで、子どもをこちらに集中させ、次の展開に持ち込ませる、集中させるためのテクニック。

 

かなり、効果ありです。「カラーボール作戦!!」

 

最後に「見張り役?」

 

いくら存在を消すといっても、本当に消してはいけません。
子どもが安心して、自由に、のびのびと授業を受けるために、教室の監督として、先生の立場を取らないといけません。
先生がいてもいなくても上手くいくのはとてもいいこと。
自主性が育って、子どもたちが育って来ている証拠です。
でも、せめて教室にいる時は、子どものこと、大事にしたいですね。

 

「やばい。時間がないから、教材研究」

「資料の準備」
「提出書類の準備」
「テストの丸つけ」
「ドリルチェック」
「ノートチェック」
「作品チェック」
「ああ。連絡帳に返事書かなきゃ」                         

 

こうなりがちなのが、先生。

 

僕もそうですが、全てが放課後にやれとか、給食を速攻で食べてやれとか、言っているのではないです。すきまの時間に仕事をこなしているのが先生です。

 

でも、せめて、やるべきこと、優先順位をつけて、早め早めに、計画的にこなしたいですね

 

○先生のほめるタイミング

 

話し合いの時に、先生の出番って・・・
と考えた時、

 

「ほめることかなあ」

 

先生が褒めた時の効果として
・子どもの思考や発表を妨げることなく、共感を示す。
・子どもを受け入れ、安心感を与える。
・子どもが何をしたことで褒められたか、行動の気づきがある。

 

先生がやることとしたら

 

「なるほど!!」
「それは言えてるわ!」
「そうですね」
「いいね。それ!」
「そうくる?」
うなずき、笑顔、あいずちなど を子どもの発言ごとに反応を示す。
☆ただし、過度な褒め方は逆効果。先生の反応から子どもが答えを探しています。

 

 

子どもにとっては、「先生が聞いてくれている」「認めてくれている」
という安心感から、結果として「話をしてよかったな」という気持ちになる。

 

先生をみて、子ども達は、同じように声を自然に声を出して、相手をリスペクトする行動に出るようになる。

 

自然に声が出る教室はステキだと思います。
だって、人って何か感動したり、心動かされたりする時って、声を出しません?

 

 

先生の行動は、子どもの鏡。
いい感じの行動は子どもも自然に真似をするようになってきます

 

おまけ:
僕の書く文字って、お世辞にも「先生としての見本だ」

と言われるようなものではなく、
どんな文字かというと
「丸文字で可愛らしい文字」
良い意味では読みやすく、親しみやすい。
悪い意味では子どもっぽい。
今まで、文字で批判されたことはありません。
だから、ずっと使い続けていますが、
はっ!!

 

と気づくと、子どもが僕と同じような文字になって来ていることに気づきます。
15年ほど小学校で教員をしましたが、すべての年で同じ経験を味わっています。

 

あとは、口癖。

 

「?したらあかんに!」「はやく机つりゃあて!」「ちょっとこっち持ってこやあて」

 

名古屋弁丸出しの初任の時は、それこそ、子どもが数ヶ月で名古屋弁だらけになり・・・

 

今は、標準語を努めて使っていますが、どうしてもイントネーションが違うみたいで、
度々、笑いばがら保護者から「うちの子が先生の言葉に似て来たの・・ふふふ」
って話題になります。

 

まさに先生は子どもの鏡。
気をつけないといけないですね。
日頃の言葉遣い、文字、態度。
いつも子どもはみていますよ?

 

振り返りや、その後の行動の時にも、

 

「〇〇さんのそんな考え方、素敵だなあ」
「〇〇さんがあそこで、あの意見を言ってくれたから話し合いが盛り上がったなあ」
「よく、気づいたね。学んだこと早速行動しているね」など

 

具体的な話し方、考え方、行動パターン、友だちへの関わり方・・
どんぴしゃりのタイミングで褒めてあげると効果倍増。
子どもも、その周りの子どもも、

 

「ああ。そういう考え方すればいいんだ」
「なるほど、別の行動をしてみよう」
と、実際に気づく大チャンスです。

 

案外子どもは、話し方、考え方、行動など実際にどのような仕方がよいのかわかっていないこともあり、気づくチャンス。
そして、子ども同士で気づきあって、声かけ合う姿が見られるようになったら、本当に成長した証。
保護者にもニコニコで伝えることができて、保護者もニコニコ。
こうなってくると、

 

あれ?子どもが成長しすぎて、先生いらないじゃん!!って思えるはずです。

 

先生が思い描く姿に子どもが成長して、自立した姿を見ることほど、先生にとって嬉しいものはありません。
 
1年間のクラス経営で、別の場面で何度も見られるようになると、クラス経営が楽しくて仕方がない。もっともっと上を目指して頑張りたくなってしまう。最高の循環を味わうことができます。

 

「先生ってほんと最高!!魅力的な職業です!!」
(あー復帰したいなあ・・・・。復帰したい!!)

 

○話し合いのよさをほめる工夫

 

話し合いがどのような終わり方をしても、子ども達がよく考え、思考を巡らせて終えた時ってすごく達成感があります。そんな時、僕だったら

 

「みんなが学び合っている姿、最高やなあ!今日だけですごい成長かんじられて嬉しいわ」
と言ってしまいます。

 

また、話し合いがどう転んでもほめるようにします。

 

・似たような意見が話し合えていれば
「ホント、考えが深まったね!」

 

・意見の対立が見られるような話し合いだったら
「今日は、話し合いが別の見方からすごく広がったわ」

 

・たくさん意見がでたら
「色々なアイデアが出て、最高のクラスやわ。一人では、絶対思い浮かばないような考えもクラスを一つにしてこんなにたくさん出て嬉しいわ」

 

あくまで、例ですが、子どもは評価を欲している面もあるので、自分たちの行った満足感を先生に誉められることで、ますます満足度も増していくと思います。
やっぱり言葉にして伝えるのが大事だと思いますよ!!

 

おまけ;

先生とじゃんけんしよう!
「じゃんけんぽん!!」
先生に勝った人・・・「運がいいね」今日もいいことあるよ!!
先生とあいこの人・・・「気があうね」今日ももっとなかよくなれそうだ!!
先生に負けた人・・・・「優しいね」勝ってしまってごめんね。今日も優しくすごしてね!

 

じゃんけんに勝とうが、負けようが、あいこだろうが、全部ほめてしまいます。
いつも言っているわけにはいきませんが、初めてのクラスや初対面の子どもにはかなり効果あり!!ぜひ使ってください!!

 

 

○指名の工夫について

 

ここでは、一斉授業や、話し合いで先生が指名する時の工夫について書きたいと思います。

 

1意図的に指名
授業中、話し合い中、もっというなら研究授業の時、

 

「こんな発表してほしい」

 

と思う時、キーマンとなり得る子どもを指名することはよくあります。
子どものノートや、プリント、机間巡視の時に「コレだ!!」という意見をチェックして、意図的に授業が進むように、子どもが理解しやすくなるように、一瞬で指名する順をデザインする時もあれば、前もって、レディネスして児童の実態を把握している先生。たくさんいるでしょうね。
僕も、その一人です。

 

そこで、注意喚起をこめて、提言!!

 

「指名する順番、先生のクセになっていませんか?」

 

僕は、クラスの学力の低い子から当てていって、同じ意見、反対意見を拾い、クライマックスに入る時に、まさに、ここぞという時に、学力の高い子を当てるクセがありました。
また、クラスにおける元気な子、人気者の子は求心力があるため、キーマンにしていました。

 

これでいいのかな?
僕は、自分で撮影したビデオを三つ見直してみて、はじめて、自分のクセに気がつきました。
まあ、他にもクセはありましたけど・・・(泣)

 

子どもにとって、

 

「話し合いに自主的に参加したいという欲求を満たす最高の舞台は、先生に当ててもらえて、自分の考えをみんなに話をすること」
これは、子ども全員が望んでいること。
そもそも
「授業の主役は子ども。思考力を働かせまくって、活かそうとしているのを先生のエゴでつぶしてはいけない」

 

そんな気持ちになった瞬間でした。
「子ども一人一人を大事にする。」
「授業を意図的・計画的そして効率的に進める」
どちらも大切にしなければうまくいかないけれど、本来の目的を見失ってはいけないとは思いますね。(参考程度に・・・)

 

2つなげて指名

 

僕がよく使っている「つなげて発言」
「じゃあ、つなげて!」の一言で、子ども同士が順番に指名しあっていきます。
子どもは自分の考えを言い終えると、次々と手を挙げている他の子を指名していきます。

 

メリットとして
・子どもが一体感。まさに、つながっています!
・先生は楽!乱暴な言い方ですが、子どもに背を向けて黒板にドンドン意見を書き出すことも可能です。また、見ているだけで、子供達だけで、勝手に盛り上がります。

 

デメリットとして
・仲の良い友達を指名する傾向がある。
・同じ人ばかりが発言する。(特に元気な子)
・偏った意見になりがちで、広がりや高まりが見られなくなってしまう(可能性)

 

そこで、少しルールを補足
・一度も話していない人を優先に当てよう
・男の子は女の子、女の子は男の子に当てよう。
・窓際のグループは廊下側グループ。廊下側グループは窓際グループを当てよう。

 

わかりやすく、公平なルールを示すだけで、子どもは、上手に指名していくようになります。クラスの周りの子が「○○さん、まだ言ってないよ」と、優しいアドバイスも自然に生まれるようになるので、一石二鳥です。

 

僕も、最初は
・一番最初に手を挙げた人に当てよう
・手をまっすぐ伸ばしている人に当てようなど
どうでもいいような、当たり前のようなルールを盛り込んだこともあります。

 

まっすぐ手をのばす
相手をリスペクトする
聞き方、話し方

 

なんかは、当然、最初の約束として、また、継続して習慣化しないといけないことですね

 

3お楽しみ指名

 

さて、どの子どもにも公平に当てたい時ってありますね。

 

・英語の先生の小道具を触ることができる
・クラスのお楽しみ会
・みんながやりたいと感じていること

 

ここでは、手を挙げて指名するのは困難です。

 

そこで、
お楽しみ指名!!

 

僕は、以下の方法でお楽しみ指名をしています。まさに運が支配します。
・今日の日付や月
例:12月5日だから、12番と5番!
〃 12―5で7番!
〃 12+5で17番!バリエーションは豊富です。
・時計の数字
・今持っている教科書のページ
・その場でくじ引き!など

 

色々ありますが、大事なのは公平にということ。ありがちなのが、36番の出席番号の人は日付だどなかなか当てられません。
その場のノリも大事ですが、とくにこういったお楽しみ指名は、しっかり記録して運が良すぎて何度も当てられるということがないようにしたいですね。
また、朝会の児童代表の言葉とか、委員長とか、実行委員とか、応援団の選別とか、とっても大事な決め事をこの決め方にするのはマズイですね。当たり前でしょうが・・・

 

僕は、席替え、バスの座席、レクのチーム分け、一年間を通して全て「くじ引き」で徹底したこともありました。

 

なぜって?

 

「公平と、ドキドキ感、どの子と一緒になろうがリスペクトの気持ちをもって関わることの大切さを学ばせたかったから。」

 

クラスが出来上がり、心も育ってくると、可能になるんです!!

 

「はーい。今からの帰りのバスのクジだよ」
「今日の給食グループのクジだよ」
「野外観察グループのクジだよ」

 

子どもの反応は、想像通り。
いつも

 

「ドヒャあ!!!!!」

 

ほとんどが笑顔でズッコケます。でも、楽しさ、ドキドキ感を目一杯楽しんでいます。

 

注意ですが・・・
・縦割りグループ(1年から6年まで)
・卒業式の座席
・人間関係
など、配慮しなければならないことも必ずあるので、ノリでやっちゃえ!じゃあ通用しないこともあるので、臨機応変に考えてください。

 

○子どもの意見を整理、深める、自分のものにする

 

≪整理する≫

 

≪深める≫

 

≪自分のものにする≫ 価値づける?

 

友だちの考えを聞いたからこそ、自分の考えを変える。そのための根拠や理由をはなせるようになったら尚良いと思います。

 

自分の考えを変えることは恥ずかしいこと?そんなことはありません。

 

話し合いの中でよくあること。
自信のない子には、先生が価値付けしてあげて、褒めてあげる。

 

そのうちに、自然に教室全体でお互いの考えを認め合った上で、納得して、気持ちよく、話し合いの答えが導きだせるようになっていくと思います。

 

○座席配置

 

アクティブラーニング型授業では、話し合い(対話)が命。そのため、従来の全員が前を向いて座っているスタイルは好ましくないと思います。
そこで、僕がよく行う座席位置のパターンをいくつか紹介します。

 

1. 島型

 

グループで机を四つ合体してできる。もっともポピュラーな型です。
お互い顔を見合わせて、作業ができる、グループ活動がしやすい体型です。給食時にも使っています。だいたい4人グループ。多くて6人。お誕生日席を入れて5人の時もあります。

 

2. コの字型

 

教室全体で、コの字に机を配置する型。全体で話し合いがしやすい型。全員がお互いの顔を見合わせることができ、意見を話すことができる。給食時にも、時々使用します。理由は、配膳、片付けが行いやすいため。
一斉授業でやる場合もあるが、あまりオススメはしません。一斉に集中したい時にもアクティブラーニング?になってしまい、集中できなくなることもあるため。目的や教科によりますね。

 

3. 円型

 

机を円にしてグループ体型をつくる。島型の発展版。?10人で行う時。机移動に時間がかかることが予想されるので、僕の場合は、別教室に設置するか、机を全部後ろに下げて、椅子だけでサークル体型をつくるか、椅子なしでサークル体型にするか、その都度、分けて考えています。

 

「教室の地べたに座らせる?ダメだよ!!」
と、理由とともに指摘されたこともあるので、防災頭巾の上に座らせるようにしています

 

4. 自由変形型

 

3人、5人、7人、2人・・・と話し合いたい者同士がそれぞれグループになる型。
テーマや流れに応じて、子どもたち自身で自由にグループを編成して、活動できる。
ただ、話し合いの初期段階や、軌道に乗っていない時は、あまりお勧めできません。話し合いに参加できない子がいたり、いつも決まったメンバーだったり・・・と、話し合いの態度面がしっかりなされているとき、有効になります。

 

結論として、一番主体性、対話力、深い学びが実現できる、子どもにとっては、まさに

 

「誰とも話すことができる夢のような自由さ」
「休み時間のような気楽さ」
「何も縛り付けられるものがない最高の空間」

 

ができる子は、できますが、しっかり時間をかけてまずは、

 

「話し合いの楽しさ」
「リスペクトする気持ち」

 

が育ってきてからになると、夢の時間を子どもに委ねても何の問題もありません。

 

「先生!!話し合いは?話し合いで決めようよ!!」

 

誰もが、安心して、豊かな空間が約束されたコンフォートゾーンの中での学び。
ここまで子どもを育て、高めることが当面の目標かなあと思います。

 

最後に

 

「一つの型でしか話し合いができない」
「絶対机を動かしたくない」

 

とか、先生の今までの型もあると思いますが、目的や教科に応じて、臨機応変に使い分けるようにしないと、子どもも新鮮な気持ちで学びができないような気がします。
何も、強制的に「やれ!」なんていう気持ちは一切ありません。
僕自身、価値観の押し付けが嫌いですから。

 

ただ、

 

「子どもに、どのような力をつけたいのか?」
「そのために何をしなければいけないのか」

 

授業の主役は先生ではなく、子どもです。

 

そこをしっかり理解した上で、座席配置についてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

<話し合いの向こう側にあるもの>

 

○決まったことは守ろう(リスペクト!!)

 

話し合いでクラスの問題を解決する時、先生の思いと子どもの思いとのズレが生じることがあります。

 

「なんとなく頼りないなあ」
「本当にうまく行くのかなあ」

 

先生の心配とは、裏腹に、子どもたちがクラスの問題を自分たちで決めたことには思わぬ効力があります。それだけ特別な価値ができたのでしょう。

 

一例を紹介します。
3年生のクラスで給食の残食が当たり前にありました。

 

「何とか残食をゼロにできないだろうか」

 

話し合いの中で、

 

「作ってくれた給食の人に申し訳ない」
「もっと感謝の気持ちを持って食べないといけない」
「お互い呼びかけようよ」
「食べることでよくなることを考えようよ」

 

僕も、食については体をつくる大切なことや世界中の食事情などを事前に時間をとって指導していたことが相乗効果を生んだと思いますが、真剣に子どもたちが給食について話し合い、みんなで納得の上、給食のめあてが決まりました。

 

給食のめあて
「給食の残りをゼロにしよう大作戦」
・時間を守って配ろう
・マナーを守って食べよう
・もぐもぐタイムでは特に時間を気にしよう
・苦手な人は最初に残して、その分は全部食べよう。残しすぎはやめようね。
・一人少しだけで良いので、おかわりをしよう
→「オラに元気を貸してくれ!元気玉作戦」
・給食の残りがない日は、先生に写真をとってもらおう

 

なんと、めあてを決めたその日から、子どもたちは自分たちでめあてを守って、残食ゼロが続いたのです。
「先生が写真を撮る」ことと、「時間通りに達成できたこと」この二つが達成できると、次の日も、また次の日も・・・そのうち、習慣化し、当たり前の出来事になってきます。子どもたちは日々の成功経験がうれしくてたまらないみたいでした。

 

もう、給食の白衣を着るのが遅いとか、当番をしないなんて子はいません。
また、おしゃべりに夢中で給食を食べられないとか、残しすぎるとか、日に日にいなくなります。もぐもぐタイムになると、給食をおかわりに来た子がすかさず呼びかけます。

 

「ご飯がたくさんあまっているよ。オラに元気を・・・」

 

元気玉が集まるように、みんなで協力しあってみるみる給食がなくなり、結果、残食はゼロになります。給食時間を気にしながらなので、気持ち慌てている感はありますね。

 

話し合いで決まったことを、実際にアウトプット(行動)したよい例だと思います。
7月の途中から残食ゼロがスタートしてずっと1日も欠かさず、達成してきたわけですが、後期の係決めでは、

 

「給食残しゼロ係が必要だよ」
「牛乳パック片付け係が必要だよ」
「レストラン係をバージョンアップさせようよ!」など

 

と、ますますクラスをよくしようと係活動を自主的に企画・運営する子どもの姿が見られました。

 

もちろん、担任の思いもあります。指導もあります。

 

でも、子どもたちは、自分たちで主体的に話し合いをしたことで、自分たちで決めたことはすごい力を持っていると信じています。
自分たちで決めたからこその価値とでもいうのでしょうか。
クラスの自慢がまたひとつできます。

 

うまくいかない時もあるでしょう。その時は、また、話し合って、よい方法を考えていけば良いのです。

 

アクティブラーニング の基本。PDCAサイクルの繰り返しです。

 

大事なのは、子どもを信じるということ。子どもに任せるということ。
当然のことながら、決めたことで誰か一人でも傷つく子がいるとか、嫌な思いを続けることになるような無理な決まりごとはよくないし、続きません。その時は、また、Pにもどるといいでしょう。

 

確かなことは、子どもたちの主体性は成長を続けます。
リスペクトの気持ち」決してブレることなく指導を続ければ、子どもはまっすぐ成長します。

 

○実際に行動できるようにしよう

 

「話し合ったこと。実際に行動に移せていないなあ。」

 

道徳の時間で、あれほど話したはずなのに、あれほど話し合って自分を振り返ったはずなのに、できていない。できない。

 

一言でいうと、綺麗事のお勉強では理屈はわかっても体はついていきません。

 

「実際に行動する」

 

このためには、話し合いの積み重ねの中で、いずれ変化が起きるものと考えてよいと思います。
ただ、子どもの話し合いを行動に結びつけるには、頭だけの理屈ではなく、目に見えるように掲示するとか、係が呼びかけるとか、行動できるようにする工夫も必要であると思います。当然、子どもたちが自主的、自発的に行動し、先生はただ見ているだけが理想でしょうけど、そこまでできないこともあります。

 

僕は、子どもが決まったことや、学んだことで早速行動している子には、

 

「エライ!さすがやなあ!すぐ守っているね」

 

と必ず褒めるようにしています。褒めるタイミングを見計らっているといったほうが正確かもしれませんね。

 

子どもも、褒められるのは好きですから、行動しようとしてきます。
注意として、先生の前だけ良い子にしている子に騙されないこと。

 

どのような場面でも、決まったことをしっかり行動できるようにするには、とにかく意識づけ。そして、ここでも「リスペクトの気持ち」
相手のことを考えて、お互いが褒め合って気づき合って成長していくと、担任はほとんど口出ししなくても、実際に行動に移せるようになって行くと思います。

 

一朝一夕で何とかなるものでもなく、長い目で当たり前にできるようになったこと(習慣化)がどんどん増えてくると最高のクラスにどんどん近づけますね。

 

小学校では、ロールプレイが有効です。
決まったことを、実際に行動する前に、行動の練習を繰り返し行う。
練習することで、同じ体験をするときに迷いがなくなりますからね。

 

廊下を静かに歩く練習。
バスに乗る練習。
一分で準備する練習。など
自分の練習例は山ほどありますので、時間があった時にしっかりまとめますね。

 

○授業後、聞こえてくることって宝の山?

 

話し合いの後(授業後)、子どもはどのような話をしているでしょうか?
話題が新鮮であればあるほど、授業後もひたすら話しています。
黒板の前で話し合いの続きをしている子も見られます。

 

話し合いの後って、その話題が新鮮であったかどうか
今後一定の成果が現れるかどうか
学習をよく理解しているかどうか

 

かなり分かりやすく現れます。
また、

 

「納得がいかない」
「先生は、どのように思いますか?」
「あの時は言えなかったんだけど、こう思います。」など

 

次の話し合いのヒントやアイデアが出て行くることも多いです。

 

ああ。授業中に話してくれたら・・・。

 

子どもは、子どもでお互い遠慮し合いながら、自分の意見が言えないで消化不良のまま終えている子も少なくありません。

 

また、

 

「ねえ、さっきの話し合いってどうだった?」と問いかけると

 

「よかった。わかった。」

 

などはまあ、普通に返ってくる答えとして、時には

 

「全然意味がわからない。時間の無駄」

 

と感じられるくらい、胸にグサッと突き刺さる意見がある場合もあります。

 

いずれにせよ、話し合い後の子どものつぶやき。

 

「話し合いの出来具合、満足度、新鮮さ、今後のヒント」

 

ととっても参考になる宝の山です。

 

大事にするといいと思います。

 

○振り返りをしよう

 

話し合いは、成功だけを求めるのではなく、振り返りも大事にするとよいと思います。
そもそも、話し合いは全てうまくいくものでもなく、お互いの考えをぶつけ、よく聞いて最善の策をとって、みんなが納得のいくものにするのが理想です。

 

話し合い(対話)による子どもたちの交流は、繰り返せば繰り返すほど、力を付けて行くものだと思います。リスペクトの力も同様についてきます。

 

話し合いをただの活動で終わらないで、その都度、しっかり振り返り。

 

「もっとよくするためにはどうしたらよいのだろうか」
「〇〇さんの考え方、話し方はとても参考になった」
「話し合いで初めて知ったこと、学んだことを書き出してみる」

 

こうしたアウトプットが、経験の積み重ねとして大事だと思います。

 

「失敗は成功のもと」といいますが、
「失敗も含め、成功経験」

 

くらいに自分は考えています。

 

話し合いを通していかに主体的に関わることができたか、考えることができたか、建設的に考えることができたか、この過程そのものが成功経験であり、結果が全てではないと思います。

 

僕が気をつけていることとして、これは言いたくない言葉

 

「そうじゃないでしょ」
「こうしなさい」
「ダメ」

 

と言った言い方は主体性を育てるどころか、やる気をそぐことにつながります。
当然、臨機応変に応じて言ってしまうこともあります。

 

ただ、

 

「話し合いを通して、子どもの主体性を育てる。深い学びにする」

 

と子どもにつけたい力を具体的に考えた時、ダメ出しよりは、子どもの自主的・自発的な発言や行動をめいっぱい見つけて、褒めて気づかせてあげる。僕の一言で自信をつけてますます、次に向かってがんばろうという意欲をかき立ててやりたいです。

 

○思いつきではなく、計画的な話し合いをしよう

 

クラスを担任していると、話し合いってどうしても「思いつき」が多いと思います。
日常的に解決すべき問題があるので、それはそれでいいですし、道徳的実践力なんてタイムリーな時に話し合わせたいし、その都度その都度で臨機応変に進めるべきです。

 

そこで、あえて計画的に話し合い。
「めあて」「期間」「活動内容」をまとめた計画書をつくってみましょう。

 

ここでのポイント
・ゼロから生み出すものではない。
・各教科の全体像、行事、学校独自の取り組みをしっかりみて、どのタイミングで話し合いをするのか青写真をつくる。
・こうなるであろう児童の動き、問題点を・こうなるであろう児童の動き、問題点を予測しておき、そのための話し合い計画をたてる(学年の実態にもよります。一人ではなく、学年で、教科担任も含めて、しっかりはなしあっておくとよりよい結果が出てくると思います。先生も対話によってアクティブラーニング!!です)
・保護者・子どもにも伝えて協力を得る。
(保護者、子どもとの対話からもアクティブラーニング!!)

 

やはり、行き当たりばったりの「話し合い」では、ベテランさんなら、ともかく、初任の方はじめ、経験の浅い先生だったら、めちゃくちゃ慌てますね。

 

そのためには、PDCAサイクル
1年間の、夏休みまでの、1ヶ月の、一週間のPDCAサイクルが必要であると思います。
つまり、長期計画、中期計画、短期計画、超短期計画(今日)など、常にPDCAを行う必要があると思います。

 

○自分たちの問題は自分たちで解決!!??

 

話し合いができるようになってくると、しめたもの。

 

子ども達は何か問題ごとや決め事があると、話し合いで解決したくなります

 

「だって、話し合いは楽しいし」
「話し合いで居場所が見つかったし」
「友だちからも先生からもほめてくれるし」
「なんか自分たちでクラスを作っていくっていう気持ちがたまらないし」

 

お互いリスペクトしあい、間違うことが当たり前に許されて、考えの変更大歓迎!
話すことが苦手な子だって、

 

「私の考えを伝えることができた。わかってくれてすごく嬉しい。話し合いという授業だからこそ、いつもより自信を持って話すことができる」

 

と、空間の良さも、話し合いから生まれる良さも、実感できるような、コンフォートゾーンに入ったらしめたもの。

 

話し合いが、子どもたちをいっそう生き生きとさせ、自立、自主性を育てていくものだと実感した瞬間でした!!

 

話し合いがクセになっていくと・・・・

 

・普段の会話も増えた
・クラスの中の自己肯定感が増えた
・先生に頼らなくても自分たちでクラス作りができるようになってきた
という子どものまっすぐな成長が見られるだけでなく、

 

今まであった?かもしれない?個人攻撃「あいつが悪いから」「そもそも○○のせいで」といった、個人のできていないところよりも、クラスの課題を解決するためにどのようなことができるか、どのように努力していくことができるかという、共同生活、集団生活の中での自分の位置付け、リスペクトの上でも考えを基本にした位置付けができるようになってきます。

 

ポイント!!

だれかに責められるとか、だれかに失敗を指摘されるといったことから解放され
だれからも責められない環境から、安心感、安全感、自由ができ、そのために自分たちがよく考えてよくしていこうとする自立、自主性がどんどん育っていくものと思われます。

 

○レッツトライ!!

 

「アクティブラーニングってなぜ必要なのかわかった!」
「よし、それでは話し合いを軸にまずは学活からやってみよう!」

 

という前向きの思いとは裏腹に

 

「やっぱり時間がない:」
「忙しいからできない;」
「学力に差があるからできない;」

 

という先生の本音が・・・・。

 

でも、
「やりやすいクラスでしか、子どもの力を伸ばすことができないのよ」
「問題のないクラスでしか、できないのよ」

 

と言っているようなものです。基本、先生は忙しいもの。
でも、忙しい、忙しい・・・ってどういった時間の使い方をしているのか・

 

目標を高く持つことはとっても大事なこと
具体的な目標であればあるほど、実現可能に近づくこと
でも

 

「実際に行動しないと、どんなに素晴らしい目標でも、単なる妄想で何も変わらないということ。」

 

だったら、明日からでもやってみよう。
子どもと同じ。

 

「失敗は成功の元」「失敗こそ、最高の成功経験」「失敗あるからこそ成長あり」

 

でもね。

 

失敗を前提に考えないで、より計画的に緻密に練り上げてやりたいですね。

形だけ真似て、できてるるもりのアクティブラーニング にならないように・・・。

 

指導方法に正解はないと思います。
自分に、そして、クラスに合った指導法で子どもたちを伸ばしていけば良いわけで。

 

 

それでは、
レッツトライ!!
レッツ!!アクティブラーニング!!